治療成績 治療成績

手術件数の推移(2016-2020)

川野病院における手術件数の推移
 
2016年より2020年における当院の手術統計(前立腺生検を含む)をお示しします。
合計の手術件数は年々増加しておりましたが、2020年はコロナウイルス感染症蔓延の影響でしょうか2019年に比べやや減少し合計で514件の手術を施行致しました。
尿路結石に対する低侵襲な治療として当院ではこれまで体外衝撃波結石破砕術(ESWL)による治療を中心におこなって参りました。2020年には初回治療を受けられた患者さんが193名でした。また、新しい尿路結石に対する治療方法として経尿道的腎尿管結石砕石術(TUL)も開始し、13名の患者さんに手術をおこないました。
前立腺肥大症に対する手術療法では、手術の安全性が高いと評価されている光選択式前立腺レーザー蒸散術(PVP)およびGold standardである経尿道的前立腺切除術(TUR-P)、を当院では主に施行しており、2020年にはPVPが27名、TUR-Pが19名で合計46名の方が手術を受けておられます。いずれの術式においても患者さんは術後の合併症もほとんど無く経過され、尿流量率測定・残尿量・排尿症状スコアにおいても改善を認めました(ホームページ内の治療成績をご参照ください)。
膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)については、2020年に55名の患者さんに施行されました。膀胱腫瘍は、病期や組織結果により追加の治療が必要となる場合があります。画像検査(MRI検査による深達度診断や全身への影響を調べるCT検査など)も含めて総合的に診断し、ご本人やご家族との話し合いの上、適切な治療を提案して参ります。
当院では、男性不妊症に対する治療も開始しており、2020年には9名の精巣内精子採取術(TESE)をおこないました。また、男性不妊症の原因のトップである造精機能障害のうち37%を占める精索静脈瘤に対する低位精索静脈瘤結紮術を2020年には29名の患者さんに施行致しました。手術を受けられる患者さんも増加しており治療成績も良好です。また、術中術後の合併症もほとんどありません。
2017年における前立腺癌罹患率は1年間に人口10万人当たり147.9と男性では最も高くなっています。また10年相対生存率は78.0%と高いのですが、病期が進行すると予後は不良となります。前立腺癌の確定診断に必要な前立腺生検については、当院でも増加傾向にあり2020年には昨年より11名多い55名に施行されました。検査に特有の合併症である検査後の出血や発熱(急性細菌性前立腺炎)もほとんど発症せず安全に施行されております。早期発見のためにも、健診や人間ドッグなどで施行されております前立腺特異抗原(PSA)採血において異常値が認められました場合は、いつでも当院へご相談ください。
また、硬性尿管鏡、軟性尿管鏡を用いた上部尿路(尿管や腎盂内)の検査も可能となっております。上部尿路からの血尿精査にて、腎盂腫瘍を確認し組織検査をおこなったことで腎盂がんが判明した患者さんがおられましたが、確定診断が得られたことによりその後の根治術につながっています。

2018年手術統計1
2018年手術統計2
2018年手術統計3
2018年手術統計4
2020手術件数グラ
2020手術件数合計
2021手術件数表

前立腺肥大症

当院における前立腺肥大症に対する手術療法

 

当院では、平成257月に導入したGreenLight HPS(High Performance System)を用いて行う光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)、前立腺肥大症に対する外科的治療のゴールドスタンダードと言われている経尿道的前立腺切除術(TUR-P)、手術時に使用する灌流液に生理食塩水を用いる生理食塩水灌流経尿道的前立腺切除術(bipolar-TUR-P)の3種類の術式を施行しております。

PVPの特徴は、術中の出血が少なく術後の血尿も軽度であるため御高齢の患者さんや心血管系等の合併症をお持ちの患者さんにも施行することが出来るということです(実際には術前に内科の専門医に診察していただき手術施行の可否を判断していただき手術施行可能か検討しております)。

TUR-Pは、これまでに様々な前立腺肥大症に対する手術療法が開発されてきましたが、その有効性から依然として多くの施設で現在も行われている方法です。その特徴ですが、術後の症状の改善度は高いのですが、術中や術後の出血、低ナトリウム血症等の問題から御高齢の患者さん、合併症をお持ちの患者さんに関しましては、術前に十分な評価を行って手術を施行するか検討する必要があります。

2014年以降の手術成績についてグラフに示しております。
尿勢改善度手術施行例は201436名、201522名、201625名、201725名でした。
いずれの年も尿勢(最大尿流量率:排尿中に最も勢いの良い1秒間の排尿量)、














最大尿流量率の変化











残尿量の変化残尿量(排尿状態が悪いほど多く、手術のより改善すると減少します)、










症状スコア改善度症状スコア(数値が多いほど排尿状態が悪く、手術によって改善すると数値が低くなります)、










症状スコアの変化
満足度改善度










満足度(症状スコア同様、数値が多いほど満足度が低く、手術による満足度の改善によって数値は低くなります)ともに術前に比べて改善がみられています。








満足度の変化2017年は前立腺肥大症の程度が強い患者さんの手術症例が多く、手術前に尿閉(尿が出ない状態)の方も多かったため術後の満足度の改善も良好でした。PVPではこれまで輸血を行った患者さんはいらっしゃいませんが、2017年以降にTUR-Pを受けられた19名の患者さんも現在のところ輸血を必要とされた方はいらっしゃいません(一般的なTUR-Pにおける輸血が必要となる頻度は2.0-4.8%と言われています)。

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